ura_latのブログ

深淵へようこそ

受験勉強向いてない

どうも、今回は大学院受験について書こうかなと思います。

どこかの誰かに参考になればいいなと、大学院受験(社会系)の流れについて自分語り多めで書いていきます。

長編です。

 

 

筆者について

とある地方国立大学情報系文系学科所属

情報系の学部ですが、文系の学科です。「何をやる学科なの?」とよく聞かれますが、未だによくわかっていません。情報系の授業もありますが、色んな学問を広く浅くやっています。うちの学科の大学院進学率はそんなに高くないです。僕の代は知ってるだけで3人です。(全体の5%ぐらい)

 

弊学科の進路(2022卒)(弊学科HPより引用)

専攻:地域社会学

情報系の学部ですが、社会学を専攻しています。と言っても、授業で「社会学」という授業があるわけではなく、学科ではいろんな学問を広く浅くやるという感じなのでゼミで社会学(?)に関連する書籍を読んだり、自分で勉強したりという状況です。そんなわけで社会学の専門的な知識は激浅、まだ初めて1年経っているかどうかという所です。

学部の成績

正直そんなに高くありません。単位を落としたこともありますし、再試を受けたこともあります。高校時代から勉強習慣が身につかず、大学1年生からコロナで授業もオンラインだったため、適当に授業を受けて、レポート提出直前に取り掛かるような生活を送っていました。テストも無く、レポートを出せば単位が出る学科だったというのも大きいと思います。当時は学部卒で就職するつもりだったので「成績なんて留年しなければいいやろ」ぐらいの気持ちでいました。(少し後悔しています)

 

こんなに勉強向いていない人間がどうして大学院進学を決めたのか?

次は大学院進学を決めたきっかけについて書こうと思います。

大学院進学を決めた理由

理由は大きく2つあります

・研究室で先生との出会い

・研究が楽しい

大学院進学を考えはじめたのは3年生の7月辺りです。それまでは、公務員志望で公務員試験の勉強をゆるゆるとやっていました。僕の所属している学部は3年生後期から研究室に配属されるのですが、6月に配属決定され、7月にプレスタート、後期から本格的にスタートという流れです。他大の人(文系)の話を聞いているとうちは文系にしては少し遅いのかなと思います。

そんなこんなで、研究室に配属されM先生(指導教員)に出会います。M研を選んだ理由は前のブログでも書いてましたね。

弊研究室とK研とS研とY研で迷っていたのですが、「新設の研究室(=先輩がいない)であったこと」と「先生が結構やる気ある(ように見えた)」あと「先生が若い(当時32ぐらい)=柔軟に動けそう」からです。

2022年のまとめ - ura_latのブログ

M先生との出会いが僕の中で大きな衝撃でした。これまで大学教員と言えば歳も離れていて、たまにTwitterで見かける遠い存在だと思っていました。また、コロナでオンライン授業ばかりだったということもあり大学教員と関わる機会もあまりありませんでした。しかし、M先生は10歳程しか変わらないということもあり、大学教員に対するイメージがかなり変わりました。大学というものが身近になった感じです。元々、大学院に興味はありましたが、どこか遠いものに感じていました。M先生のおかげで大学院への進路が現実的になりました。

もともと卒業論文は地元で地域コミュニティに関するなにかをやろうとぼんやり考えていました。弊研究室は夏にゼミ合宿があり、それまでに卒論でやりたいことをまとめてくるという宿題が出されていました。それに向けて夏休みを利用して地元をブラっとしてインタビューしたり、歴史を調べたりして、分析して、合宿で発表を経て、、、いつのまにか楽しいと思うようになっていました。こういったことをずっとできたらなぁと。徐々に研究が楽しくなり、大学院進学を考え始めました。
配属までの成績は良くは無かったですが、研究進度は研究室内で一番進んでましたし、研究室配属されてからは意欲的にやれていたと思います。(遅いよ)

研究室同期や別の学科の友人達が大学院進学予定だったということも大きいです。

あとは、他大の院生と話す機会があって、院生生活で結構自由に研究ができそうだ。という印象を抱いたっていうのもあります。

 

打算的なことで言えば、院卒枠で就職すれば給料が良いことが多いのと、文系でも修士までだったら割と採用されると聞いて、とりあえず2年くらいなら一浪一留よりは良いだろと思ったのもあります。(僕の所属していた部活は1留2留していた先輩が結構いた)

 

親を説得する

まずはじめにやるべき事だと思います。特に親に学費等を出してもらう場合。

僕の親は学部卒ですし、親戚や兄弟にも大学院まで進学した人は居ません。しかも文系なので院進のハードルは高いと思っていました。いざ親に院進したいという旨を伝えた時、反対’’は’’されませんでした。ただ、理解されていない感はありました。実際にどうなるかは大学院生になってみないとわからないので、様子見です。

 

どこの大学院にするか

さて、ここからが本題です。

結論から言うと、他大の大学院を選びました。

自大の大学院は受験すらしていません。

自大を受験しなかった理由

・自大に文系の院生が少ない

・試験内容が他大と違う

の2点です。M先生から「自大は文系の院生が少なく、どんどん理系よりになるので他大に行くべし」というお達しを受けたので他大に行くことに関していざこざはありませんでした。理系は研究室移動は大変だと聞きますが、文系はそこまで大変じゃないと思います。

他大を受ける人の多くは自大も受験すると思いますが、僕は試験範囲が被っていないので対策が間に合わないと思い受験しませんでした。

研究室探し

まずは、M先生の出身研究室(S研)を候補にしました。とりあえず、HPを見つけてS先生にコンタクトを取り見学に行くことにしました。見学するなら論文提出期間や長期休みだと先生がつかまらないのでそれ以外の時期(5,6,10,11月辺り)にすることをおすすめします。S研に初めてお邪魔したのは3年生の11月だったと思います。ゼミにお邪魔して、S先生と話したり、ゼミ生と交流する機会を頂きました。院試や院生生活、研究のことなど様々なアドバイスをもらうことができました。研究室見学は行ったほうが良いです。大学院の雰囲気が掴めます。できれば所属している学生と話せると良いです。S研には3回ほど見学に行きました。

次に、M先生からK研とH研を勧められました。それぞれ別の大学です。同様にメールを通じてコンタクトをとり、4月末に1回ずつ見学に行きました。

メールは、その先生のHPか大学の教員一覧に載っています。「研究室訪問のご相談」みたいな件名でメールしました。

3つ候補があがりましたが、最終的に調査地と経済的なことを考えK研とH研の2つに絞りました。それぞれ以下のような特徴がありました。

K研旧帝大なので研究環境が整っている(学生数や奨学金など)が、K先生とは学問領域は近いが研究内容が異なり、対応がちょっと冷たかった…。あと日本人学生の割合が低い=ほぼ留学生。←これはどこの旧帝大も同じらしい

H研旧帝大ではないので正直環境は微妙だが、H先生と研究内容が近く「もしうちにくるならビシバシ鍛えます」と言っていただいた。自分が博士課程も考えているということを伝えたらかなり親身になって相談に乗っていただいた。

 

研究室訪問を経て、M先生や同じ学科のK先生とも相談して、「留学生が多いとその対応にリソースを割かれるおそれがある」「ぶっちゃけ先生と馬が合う方が大事(私も苦しんだとのこと)」などの助言をいただき、この時点で志望校は、ほぼH研に決まっていましたが、K研も受験しました。

志望大の流れをまとめると

自大(M研)→自大(M研)&他大(S研)→他大(K研)&他大(H研)

という感じです。

※大学院に偏差値はありません。大事なのは、志望先の教員との相性

 

結論として、K研の受験はかなり悪手でした。限られた勉強リソースを割かないといけないのが無駄なことをしている感に襲われてメンタルがお亡くなりになりました。社会学と言ってもかなり広い範囲からの出題で学部から社会学専攻じゃないと厳しい問題だらけ。全く素地がなかったため、この時間でH研の勉強すればいいじゃんってなっていました。こういうことを考えてしまうから勉強に向いてないんだと思います。大した努力していないのに自分の格を決めちゃう癖。ほんとうに良くない。

複数受験する場合は、試験問題で問われる分野が同じ所にしましょう。文系は特に同じ研究科であっても大学院によってバラツキがあるので過去問を要チェックです。

 

出願準備

院試は出願準備から始まっていると言っても過言ではありません。

提出する書類の中で、「研究計画書」というものがあります。研究計画書は、基本的に大学院で研究したいことを書きます。院試には筆記試験と口述試験があり、口述試験において自身が大学院でおこなう研究について研究計画書をもとに質問されます。

つまり、研究計画書をしっかり書いておかないと口述試験が地獄になるわけです。
研究計画書は基本的に「社会的背景・先行研究」「目的」「研究手法」の3本仕立てで書きます。大学によっては文字数を制限されていたり、卒業論文の内容も書く所もあります。

研究計画書がかなり大変でした。特に、研究意義を説明するための「先行研究の検討」にかなりの時間を費やしました。近い事例を探して既にわかっているところから更に検討の余地が無いかを探していく作業です。一週間でかなりの量の論文を読みました。

なんでも良いからとりあえず形にしましょう。自分の指導教員に見せてフィードバックをもらいましょう。推敲を重ねれば重ねるほど良い計画書が出来上がります。

大体出願は6月か7月、早いとこだと5月だった気がします。それまでに英語の外部スコアが必要な人は受験しておくと良いです。受験してからスコアシートが届くまで1ヶ月くらいラグがあるので、ガチで焦ります。学内で受験できるTOEICなどは、使えなかったりするので、募集要項をしっかり読みましょう。

あと、普通に出願書類の不備があって再送する必要があったりとかもあったので出願は早めにやるべし

院試勉強について

院試は主に英語専門科目の2つです。

英語

英語は大学院によっては「英語」として試験を課すことがありますが、僕が受験した大学院はスコア提出だけでした。TOEICとかTOEFLとかIELTSとかのあれです。

もともと英語が全くできない僕は、大学入学後全く英語に触れてきませんでした。なので実質中学英語からスタートみたいなもんです。最初は、とりあえずTOEICの本を買って文法からやっていたのですが正直やる気が起きませんでした。単語が全く分かりません。脳が英語を受け付けませんでした。そんな時、友人から「abceed」というアプリを教わり、はじめてみた所めっちゃよかったです。問題を解くと予想スコアが出るのですが、続けていくと徐々に上がっていくのが可視化されてなんとか継続できました。

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最終的には、この点数は無いとダメって言われる点数まで上げることができました。

専門科目

勉強ができない(社会学の素養が全く無い)のですげー苦労しました。

K研の大学院は、社会学の専門用語の意味を問われる問題形式で、例えば「記号消費」の意味を完結に説明するという感じです。論述問題は一問しかなく、それ以外は用語説明、つまり暗記ゲーでした。しかも、社会学の古典的な分野や統計分野といったかなり幅広い「社会学」でしたのでどこから手をつけて良いのか全くわかりませんでした。とりあえず、「社会学」と書かれた本から手を付けることにしました。

ここの本に書かれている専門用語を書き出して、意味を書いていくということをしました。この勉強法に意味があったかは正直怪しいです。

試験の2ヶ月前ぐらいから取り掛かったので全然覚えられませんでした。社会学の重要な概念や議論の歴史を理解することはできたのですが、専門用語をパッと出されて意味を答えるというところまでは仕上げられなかったです。

H研の大学院は、自身の卒論で扱っている学問と完全に一致しているので取っ掛かりがしやすかったです。また、問題形式も論述のみで基本的な知識さえあればあとは論述練習でなんとかなりました。

 

口述試験

これは研究計画書を自分で書いているのでなんとかなります。

最初に「なぜこの大学院なのか」「卒業研究の概要&修士論文でやりたいことの概要」「修士課程修了後のプラン」の3点を3分~5分で話してくださいと言われました。

それが終わると、研究計画書をベースに質問されます。自分は、研究計画書で使用した専門用語の意味について理解しているかを聞かれ、まさかそこが聞かれるとは思ってなかったのでしどろもどろになってしまいました。

企業の面接じゃなくて口述試験なので、まぁそれなりに話せれば大丈夫かと思います。

結果

結果は1勝1敗です。K研に落ち、H研に合格しました。

とりあえずニート回避できたので良いでしょう。K研の方はろくに問題も解けなかったのでK先生に申し訳ないなという気持ちです。

他大大学院を受験しようと考えている人へ

・どんな研究をやりたいのかを自分の中ではっきりさせた上で研究室を探す(これが一番大事)←本当に外部でしかできないことなのか?

・研究室見学は4,5,6,10,11月辺りが望ましい

・環境も大事だが、先生との相性はもっと大事

・英語で外部スコアを使う場合は出願の半年前には一回受験しておくこと

・過去問を必ず確認してから出願を決める(レベルがわからなかったら指導教員に問題を見せる)

・受験料は3万円ぐらい

口述試験はスーツの人が多い

まずは、外部受ける受けないにかかわらず、院進を考えている人は自分の指導教員に相談してみるのが一番堅実だと思います。おすすめの研究室や研究の方向性など色々アドバイスを貰えます。

理系はわかりませんが文系(社会科学系)は試験範囲が大学ごとにバラバラなので潰しの効く勉強をするのが難しいです。自大は学部でやった内容が出題されるのでなんとかなりますが、他大を受験する場合は過去問を必ず確認してなるべく一校に絞ると良いです。

周りが内定をもらって進路が確定していく中、自分だけ未定のまま勉強するのは割りと堪えますが耐えるしかないです。がんばってください。

 

受験勉強無理すぎ

つくづく受験勉強が向いていないなと感じた半年間でした。当初、自分の中では院試はそこまでストレスじゃないと思っていたのですが、体はそうでは無くて院試が近づくにつれておかしくなっていき、謎の蕁麻疹や体調不良が頻発し、メンタルも結構やられていました。終わった今でも痕が消えないです。ほんとに大学受験よりもしんどかったです。割りと鬱っぽくて限界だった時、応援・励ましてくれた人、ありがとう。本当に心の支えになってました。

 

学歴ロンダリングをしたい人へ

あんまり言うこと無いですが、ロンダリングのプライオリティが高いと入ってからが大変だと思います。研究室同期が、希望する先生を追いかけて某旧帝大に行きましたが、既に大変だと言っていました。

ロンダリングできた、ラッキー☆」くらいで良いんじゃないかな。

総括

とりあえず、無事に院試を終わらせることができたので良かったです。
K研を受験したことだけが後悔です。K先生にも申し訳ないことをした…

 

外部受験をする人へ

がんばれ!

 

 

なんか陳腐な文章になってしまいましたが、息をつく暇もなく卒論が迫ってきているのでなんとかします。当分はゆっくりできそうにないけど、会えていない人や行けていない場所、他にも色々な清算をしようと思います。

その時はよろしく。では。